2020年10月9日公開の映画『望み』は、堤幸彦監督が脚本に4年もかけたという力作で、キャスト陣も豪華で話題です。
この記事では映画『望み』を、原作であるベストセラー小説を元に、気になるあらすじをネタバレありでご紹介します。
物語は裕福で幸せな一家・石川家を襲った事件で始まり、長男の失踪を巡って家族の愛が問われます。
加害者家族・被害者家族の迎える結末は?
家族それぞれの”望み”とは?
Contents(目次)
映画『望み』とは?原作はベストセラー小説

映画『望み』の原作は、『検察側の罪人』などのヒットで知られる作家の雫井脩介さんの同盟著書です。
2016年に発売されると瞬く間に話題となり、読者満足度もとても高く累計発行部数は15万部超えるベストセラーとなっています。
そんな公開前から話題の映画『望み』は、監督が堤幸彦さん、堤真一さんと石田ゆり子さんが夫婦役で共演ととても豪華!
実力派俳優ばかりが演じる物語のあらすじを、ネタバレありで見ていきましょう。
映画『望み』のあらすじ要約

まずは映画『望み』のあらすじの要約を、映画の公式サイトからご紹介します。
一級建築士の石川一登とフリー校正者の妻・貴代美は、高一の息子・規士と中三の娘・雅と共に幸せに暮らしていた。規士は怪我でサッカー部を辞めて以来遊び仲間が増え、無断外泊が多くなっていた。
冬休みのある晩、規士は家を出たきり帰らず、連絡すら途絶えてしまう。翌日、一登と貴代美が警察に通報すべきか心配していると、同級生が殺害されたというニュースが流れる。警察の調べによると、規士が事件へ関与している可能性が高いという。さらには、もう一人殺されているという噂が広がる。
父、母、妹――それぞれの<望み>が交錯する。
引用:映画『望み』公式サイトより抜粋
幸せだった裕福な一家に突然ふりかかった事件。
ある日突然、加害者家族or被害者家族になってしまうことを想像しながら、詳しいあらすじを見てきましょう。
映画『望み』のネタバレあらすじを結末まで詳しく!
映画『望み』のあらすじを、原作の小説「望み」を元にネタバレありで結末まで詳しくご紹介します。
あらすじ① 幸せな一家に訪れる変化
埼玉県戸沢市に住む石川一家。

一級建築士の石川一登(堤真一)は設計事務所を構え、注文住宅の設計で生計を立てていました。
妻の貴代美(石田ゆり子)はフリーの校正者として働き、高校一年生の息子・規士(岡⽥健史)、中学三年生の娘・雅(清原果耶)と何不自由なく暮らしています。
規士と雅はそれぞれ夢や目標に向かって頑張っており、規士はプロのサッカー選手を目指して練習に励み、雅は名門高校進学のために受験勉強に忙しくしていました。
そんな裕福で幸せな一家に、ある変化が訪れます。
規士は怪我でサッカー部を退部してしまい、悪い友達も増えたのか無断外泊が増えてきたのです。
顔に青あざを作って帰る日もあり、雅は規士が電話で物騒な話をしていたことを両親に伝えます。
一登は規士の生活について説教し、もう一度「やりたいことを探せ」と諭しますが、規士は答えません。
そんなある日、貴代美は規士の部屋のゴミ箱でナイフのカラ箱を見つけて、恐怖とショックで一登に相談します。

一登が理由を聞きますが規士は答えず、一登は理由を答えるまでナイフを預かることにします。
あらすじ② 規士の失踪と殺人事件
シルバーウィークになると、初日に規士は出かけ、翌日の昼になっても家に戻らず、貴代美は心配になってメールを送ります。
すると「まだ帰れないが心配しなくていい」とメールが返ってきたため、貴代美は一安心。
しかし夜になっても規士が帰ってこないため、一登と貴代美が警察に相談しようかと迷っていた時に、テレビから不安なニュースが流れてきました。

一登たちの住む戸沢で、道の途中で動けなくなった車から数人の少年が逃げ出し、その車のトランクから高校生くらいの少年の遺体が発見されたというのです。
もしかして息子が…?と石川夫妻は不安になりますが、被害者は規士の同級生・倉橋与志彦であることがわかります。
しかし、石川家に警察がやってくると、規士が高校で倉橋与志彦と交流があったこと、そのグループ内には事件前後で行方が分からない少年が複数いることを教えられました。
規士が事件に関与していることを警察は疑っているようで、一登も貴代美も、規士がナイフを隠し持っていたことは明かさず、部屋なのかも見せません。
家族はそれぞれに不安を抱え、行方が分からない規士を心配しますが、ここから家族それぞれの思いが交錯していきます。
あらすじ③ マスコミと誹謗中傷
貴代美が家にいると、フリージャーナリストの内藤(松田翔太)という男性が、倉橋与志彦について聞きたいことがあると訪ねて来ました。

内藤から、倉橋与志彦と規士は中学時代のクラブが一緒で仲が良かったことや、行方不明の少年は規士を含めて3人なのに対し、車から逃げ出すのを目撃された少年は2人しかいなかったことを聞かされます。
逃げ出した少年の人数があわないということは、もう1人被害者がいるかもしれない可能性を指していました。
また、一登は家の外でマスコミに囲まれ、突撃取材をかけられ、規士が犯人であるかのような言葉を投げかけられます。

追い討ちをかけるように、取引先の高山建設の社長から電話があり、被害者の倉橋与志彦は、請負左官業者の社長の孫のため、規士が本当に事件と関与していたら高山建設との仕事も危ないとのこと。
規士が加害者だったら自分の仕事自体が危ぶまれると思いを巡らす一登。
一方の貴代美は、規士にもっと向き合うべきだったと後悔し、犯人でも構わないから生きていてほしいと願います。
雅は兄が犯人だったら受験予定の私立も受からないと不安を感じ、兄が犯人じゃなかったらいいのにと思います。
加害者であることを望むか、被害者であることを望むか
究極の2択しかないなんて…
あらすじ④ 被害者か加害者か?
貴代美はネットで事件のことを調べると、事件の関係者として3人の名前が挙げられていました。
”塩山”と”若村”という少年、そして規士の3人だと書き込みがあり、好き勝手にひどい言葉が書き込まれてプライバシーなど存在しませんでした。
夕食時、雅は今後塾でどう振舞ったらいいのかと不安を吐露したことがきっかけで、規士は被害者と思う一登と、加害者だと思う貴代美の意見がぶつかり激しい口論となってしまいます。
そして次の日、仕事現場に向かった一登は、高山社長から事件に規士が関わっていると知ったため、今後一登の仕事は受けられないと言われてしまいます。

一方の貴代美は、訪ねてきた母・扶美子に涙ながらに語ります。
「ただ生きていて欲しいの…」

母に支えてもらい、全てを受け入れる覚悟をする貴代美。
早退して帰ってきた雅は、塾で色々言われた不満を両親にぶつけて自室にこもってしまいます。
一方で一登は、自分の親戚から避難の電話がかかってきます。規士を加害者と決めつけているのです。
翌日、家に押しかけるマスコミはますます増え、玄関にはペンキや生卵で汚されていました。
周囲からの避難の声や、マスコミにまいってしまう石川一家。
そして一登は、規士から取り上げて事務所に保管してあったナイフが無くなっていることに気づいて動揺します。
あらすじ⑤ 揺れる家族と見つかる息子
夜のニュース番組では倉橋与志彦の通夜の様子が大きく報道されています。
兄のせいで人生を棒に振りたくないと思っていた雅は、兄が加害者なのか亡くなっているかの間で悩み、揺れていました。
加害者でも生きていて欲しいと願った貴代美でしたが、規士はもう生きてはいないのかもしれないと思うようになっていました。
反対に一登は、ナイフが無くなっていたことから息子は加害者だろうと覚悟を決めていました。
自宅に警察から電話があり、規士のことでいくつか話したいことがあると言われました。
逃走していたもう一人が見つかったようです。
覚悟を決めるためにも一登は規士の部屋に寄りました。
怖さと悲しみとがごちゃごちゃの感情のまま、ふとナイフがしまわれていた規士の机の引き出しを開けます。
すると引き出しの中には、あの時と同じように、ナイフがしまってあったのです。
貴代美も雅も、しまわれていたナイフを見て全てを察しました。
程なくすると、石川家の自宅に警察が石川夫妻を迎えに来ました。
さらにひとりの少年の遺体を発見したため、これから確認して欲しいと告げます。
安置所につき、横たわった遺体は紛れもなく、彼らの大切な息子の規士でした。
あらすじ⑥ 事件の真相
倉橋与志彦の殺害、そして規士を殺害した犯人の正体は、逃げた2人の少年・塩山と若村でした。
貴代美に届いた規士のメールも彼らの偽装だったのです。
事件の発端となったのは、規士の膝の怪我です。
プロサッカー選手を目指すほどの実力があった規士は、生意気だと思われたのか、上級生が練習中にわざとタックルしたために大怪我を負わされてしまったのです。
すると怪我をさせた先輩に復讐しようと、規士の知らないところで、塩山が若村と倉橋与志彦を誘いました。
塩村は怪我を理由に上級生を脅して、お金を取る計画を立てていたのです。
ところが、規士と仲が良く復讐に燃える与志彦が上級生の足を折ってしまうほどの襲撃をしていまい、塩山にとって予想外の出来事になります。
足を折られた先輩は不良グループと繋がっており、今度は塩山たちが金銭を要求される側になってしまいました。
塩山は、元の原因はお前だと規士にも金を用意しろと言いますが、規士も倉橋与志彦も反抗したため、4人の中で対立関係が生じてしまいます。
夜に集まって塩山、若村、規士、倉橋与志彦の4人で金の相談をしますが、出口が見えないやりとりに苛立った若村と倉橋与志彦が掴み合いの喧嘩を始めてしまいました。
恐怖に駆られた倉橋与志彦が持っていたナイフを出してしまったため、理性が吹っ飛んだ塩山は近くにあった鉄パイプで規士と倉橋与志彦に襲い掛かり、ナイフも取り上げリンチしてしまいます。
その後、塩山と若村は遺体を山に埋めるために知り合いから車を借りますが、倉橋与志彦の遺体を運ぶ中で事故を起こしてしまったため、逃走したのでした。
巻き込まれてしまった規士。
ナイフは持ち出さず、初めから落ち度など一つもなかったのです。
あらすじ⑦ 事件後
規士が発見されてから3日後、通夜が開かれ、友人も大勢が参列しました。
式が終わった後、規士の怪我のリハビリ担当だったという青年・宮崎が一登たちにあることを伝えにきます。
じつは事件の一週間ほど前に”サッカーは諦めたけれど、選手に寄り添ったリハビリの専門家になりたい”と宮崎に告げていました。
一登は、規士に「やりたいことそ探せ」と語っていたことを思い出し、返事もしない規士でしたがその言葉が確かに届いていたことを知ります。
弔問客もいなくなった頃にジャーナリスト・内藤が式場にやってきて、貴代美に”加害者への怒りや憤りはないか”と尋ねます。
貴代美は”怖いほど無い”と答えました。
そして、もし規士が加害者だった場合のことへ思い巡らしたのち、”自分は規士に助けられたのだ”と呟くのでした。
<完>
まとめ
映画『望み』を、原作であるベストセラー小説を元に、気になるあらすじをネタバレありでご紹介しました。
救いのないストーリーですが、とても考えさせられる内容です。
実力者たちが演じる映画『望み』を見て、ぜひこの作品にどっぷり浸かって思いを巡らせましょう。