2022年1月にKing&Princeの永瀬廉さん主演で実写映画化となった『真夜中乙女戦争』。
今回は、著者Fさんの同名小説『真夜中乙女戦争』のあらすじを、結末まで5分でネタバレ解説します!
10代から20代の若者から高い支持を集める人気作品ですが、原作のラストシーンやキーマンとなる「黒服」には多くの謎も。
『真夜中乙女戦争』原作の分かりやすいあらすじと共に、謎に包まれたラストシーンや「黒服」についても考察してみました。
Contents(目次)
映画『真夜中乙女戦争』とは?
映画『真夜中乙女戦争』は、著者Fさんの同名小説を二宮健監督のもとで実写映画化した注目作品。
King&Princeの永瀬廉さん主演で、2022年1月21日(金)劇場公開します。

出典:ミッドランドスクエアシネマ
【原作】「真夜中乙女戦争」(角川文庫刊)

著者名:F
生年月日:1989年11月生まれ
出身地:兵庫県神戸市
主な著書:
- 『いつか別れる。でもそれは今日ではない』
- 『真夜中乙女戦争』
- 『20代で得た知見』 (すべて角川文庫刊)
ストーリーは、大学で無気力な日々を送る「私」が、憧れの「先輩」やカリスマ性を持ち合わせた男「黒服」に出会い、これまでの日々を一変させるような”東京破壊計画=真夜中乙女戦争”に巻き込まれていくという青春×恋愛×犯罪物語。
エッセイとも物語とも取れるような独自性に溢れた物語には、監督を務めた二宮健さんもかなり解釈に時間を要したそうです。
二宮健さんは「映画は、原作と異なる独自の展開が多い」とも、原作小説の解説にて語られています。
そんな映画『真夜中乙女戦争』の主要キャストを務めるのは、King&Princeメンバー・永瀬廉さん、そして柄本佑さん、池田エライザさん!
若者から絶大な支持を集める注目作を、この3名がどのように演じられるのか、映画では果たしてどのような展開になるのかとても楽しみですね。
『真夜中乙女戦争』原作のあらすじを結末までネタバレ!
ここからは原作小説『真夜中乙女戦争』のあらすじを、5分で結末までネタバレ解説!
まずは主要な登場人物からご紹介します。

出典:『真夜中乙女戦争』公式HP
- 私(永瀬廉):平凡で退屈な日々を送る主人公
- 先輩(池田エライザ):「かくれんぼ同好会」の先輩
- 黒服(柄本佑):カリスマ性溢れる謎の男
- 佐藤(佐野晶哉):私の高校の同級生で同じ大学
- 常連:黒服が開いた映画館に通う人々
主な登場人物は少なく、私は「私」、先輩も「先輩」という表記で名前なども一切作中に登場しません。
謎の多い小説『真夜中乙女戦争』を、序盤のストーリーから少しずつ紐解いていきましょう。
ネタバレあらすじ①:夢も希望も見つからない大学1年生
「愛って、永遠っていったい、どういうことだ、眠れない夜はどうすればいい」
そんな葛藤を、心の中で繰り返している私(演:永瀬廉)。
私は関西から東京の大学へ入学するも、夢も希望も見つからず、ただ大学の退屈な講義を受けながら平凡な毎日を無気力に過ごしている大学1年生です。
同じ高校から同じ大学へ入学した同級生の佐藤(演:佐野晶哉)は、大学生を謳歌しているようですが、私はそんな佐藤へも冷ややかな感情しか向けられません。
すっかり不眠気味となった私の日課といえば、深夜の日雇いアルバイトのついでに東京タワーを眺めること。
とにかく人生にうんざりしていた私は、ある日「かくれんぼ同好会」という名のサークルを見つけます。
「我々は秘密組織である」「入会希望者には面接を課す」「サークル内恋愛禁止」……。
そんな紹介文に惹かれた私は、「かくれんぼ同好会」への入会を試みます。
ネタバレあらすじ②:「かくれんぼ同好会」と先輩
その「かくれんぼ同好会」の面接で出会ったのが、先輩(演:池田エライザ)でした。
先輩は非常に美しい容姿をしながら聡明で、大手出版社からもあっさり内定を貰っているという優秀な女性です。
誰にでも優しいのに、どこか冷酷さを感じる不思議な先輩と、入会した「かくれんぼ同好会」で個人的に接点を持った私。
連絡先を交換し、他愛のないやり取りを交わすうちに、先輩の存在が私の中で大きくなっていきます。
しかし金もなく、サークルの飲み会にも参加できない私は、先輩の姿を大学で探しながら、先輩のSNSをフォローもせずに眺めることしかできません。
結局「かくれんぼ同好会」の活動にもほとんど顔を出さず、東京タワーを眺める日々。
不眠も続いて精神的にも限界だったある夜、私は黒服をまとった見知らぬ謎の男性(演:柄本佑)と出会います。
ネタバレあらすじ③:黒服の男との出会い
黒服は、初対面の私の目の前でボヤを起こし、バイクを盗み、ノーヘル&無免許で東京の中心部を疾走するような破天荒な男でした。
本当の名前すら分からない黒服ですが、実業家として若くして成功し、金を持て余しているとのこと。
頭が切れ、カリスマ性に溢れる黒服との衝撃的な出会いに即座に魅入られる私。
この初対面の夜以降、黒服と私はたびたび会うようになります。
「本当にやりたいことは、金も時間も応援してくれる人がいなくても、本気でやりたい人が勝手に始めている」
私の一言をきっかけに大学からプロジェクターを盗み出し、廃墟を小型映画館へ改修してしまうような、危うくも行動力のある黒服。
そんな黒服と共に、真夜中に廃墟で映画を観る毎日へと、私の日常は変化していくのでした。
ネタバレあらすじ④:映画館の常連
私と黒服で作り上げた真夜中の映画館でしたが、自分達以外にも人を集めることにします。
SNSで黒服が呼びかけて映画館に集まってきた人々は、何らかの理由により人生に挫折感を持つ人ばかり。
それぞれに合った映画を上映しては、人々の悩みを聞き入れ、親身になって金から食事まであらゆる世話をする黒服。
人々はそんな黒服に魅入られ、「常連」として夜な夜な映画館を訪れては、いつしか心酔と呼べるまでに彼に傾倒していくように……。
一方、先輩と私との関係は続いていました。
眠れない夜にメッセージをやり取りし、東京タワーへ2人でデートにも行くような仲になっているものの、いまいち進展はしません。
たまのメッセージを寄越すだけの先輩の気持ちが私は掴めないまま、時は流れていきます。
ネタバレあらすじ⑤:真夜中乙女戦争の勃発
そんな日々の中、黒服が大学で「置いてある自転車のサドルを全てブロッコリーに変える」といういたずらを仕掛けました。
鬱屈していた私は、そんな黒服の悪事に対し「もっとやろう」とけしかけてしまうのです。
これが、黒服が提唱している”真夜中乙女戦争”の始まりであることは、私は知る由もありません。
以前から、「この世の中を変えるには一度全てを壊すしかない」というような思想を口にしていた黒服。
黒服と私は、以下のような数々の過激ないたずらを企てます。
- 大学に設置されている喫煙所に火を投じる
- 講義棟へ続く廊下をワックスだらけにする
- 創設者の証である銅像をヴィヴィット・ピンクに塗装する
- 講義に出席予定の学生へ偽の休講メールを配信する
はじめは大学を標的にした些細ないたずらばかりでしたが、なんと黒服は私だけでなく、これまで映画館に集め、黒服の信者となった「常連」たちと結託。
本格的に大学を破滅させるため、「常連」たちと更なる過激ないたずらの実行を進めていきます。
当然、大学では大混乱。
教授らが身の危険を感じ、安全確保のために講義の無期限休講という事態にまで発展し、大学機能は失われました。
さらに黒服らは、この計画を邪魔する者、「常連」からの恨みを買っている者など、敵と認識された個人や組織をも「攻撃リスト」に加えるように。
「攻撃リスト」の対象者となった同級生の佐藤は、社会的に徹底的に攻撃され、5日後に大学を退学することとなってしまいます。
ネタバレあらすじ⑥:真の真夜中乙女戦争
一種のゲリラ活動だと世間に認知されるようになった、黒服と私と「常連」による大学の破壊工作。
威力業務妨害として警察も動きはじめますが、黒服も「常連」も止まることはありません。
破壊工作はまだ「戦争」の始まりに過ぎず、本番はこれからだとも黒服は提唱します。
真に黒服が狙う”真夜中乙女戦争”とは、次のような計画内容でした。
- 関東の発電所を爆破してネオンを消す
- 東京都内の高層タワーの屋上に火を投じる
- 高層ビルが焼け崩れる様子を東京タワーの展望台から観賞する
- 仮想通貨取引所を襲撃
- 東京証券取引所で一部上場企業の株価を暴落させる
黒服を慕って集まってきた「常連」で構成された秘密集団は、日を追うごとに規模が膨れ上がり、総勢100名を超えるほどの大規模集団へと変貌。
あらゆる企業や組織の中に「常連」たちが潜み、数々の破壊計画を実行するための根回しを進めるように。
さらに私は黒服から、長期計画として以下のような計画も知らされます。
- 全国にある動物園やペットショップ、保健所を襲撃し、動物たちを開放する
- ブラック企業の経営者を拉致して二度と立ち直れないほどの制裁を加える
- 週刊誌の記者や読者をターゲットにして、裏工作を暴露して告発する
- 東京都を始めとする官公庁や各政党本部、裁判所に至るまですべてを爆破する
「俺たちはもう一度石器時代に帰る。東京の夜空に満天の星を取り戻す。そして新しい国を作るんだ」
そんな言葉で「常連」たちを煽る黒服。
最早あらゆる破壊計画は、すでに黒服や私の把握している範疇を超えていました。
そして、私はついに「攻撃リスト」に先輩の名前が載っていることを見つけてしまいます。
ネタバレあらすじ⑦:黒服と私の決着
東京を破壊する”真夜中乙女戦争”は、クリスマスに実行されることに。
先輩の名前は私が「攻撃リスト」から消したものの、その場凌ぎに過ぎません。
死者を出すつもりはなかったはずの破壊計画も、今や押さえ込む人間はおらず、街中に設置された爆弾がクリスマスを待つ状況となっています。
そんな中、私の出した結論は、好きになった先輩を守るため黒服を裏切ること。
そして12月25日午前0時の時報とともに、ついに始まった”真夜中乙女戦争”。
計画通りに各所で火の手が上がる中、私が向かったのは東京タワーの展望台でした。
先に展望台にいた黒服と対峙する私。
東京タワーは、私が根回ししていた「常連」によって、地面から火をつけられ燃やされていきます。
それと同調するように苦しげに呻き出した黒服は、口から煙を吐き出し、膝から崩れ落ちました。
ネタバレあらすじ⑧:結末はいかに
階下から火の手が上がってくる東京タワーの展望台で、私は1人逃げる術を考えます。
しかし電力供給の止まった現状、東京タワーから飛び降りるしか術はありません。
そんな中、私の元へ届いたのは1通のメールと、1件の着信。
メールで送られてきた「攻撃リスト」には、先輩を助けるために裏切った私の名前が。
着信は、先輩からでした。
燃え盛る東京タワーの展望台で、通話する私と先輩。
今回の計画の発端は私であることを、先輩は気づいていたそう。
「誰も君のこと、絶対に許さないと思う。あたしも君のこと、絶対に許さない」
ポツリポツリとそんな会話を続けながらも、電話の向こうから感じる先輩の本音は、生きて再会できることを望んでいるようにも感じられました。
あと1分で燃え落ちる東京タワー。
果たして映画ではこのラストシーンをどのように描くのでしょうか?
『真夜中乙女戦争』原作ラストシーンを考察!黒服の正体は?
ご紹介してきた『真夜中乙女戦争』原作あらすじの中でも、謎が残るのがラストシーンと黒服について。
全ての元凶となった黒服ですが、そもそも黒服とは一体何者だったのでしょうか?

様々な解釈がありますが、黒服の正体は東京タワーだったと考察できます。
主な根拠がこちらの3点です。
- 燃える東京タワーと共に煙を吐く
- 「何度も俺に会いにきてくれた」という発言
- 黒服は私が東京タワーにラブレターを送ったことを知っていた
ラストシーンでは、東京タワーを燃やすことにした私。
展望台にまで火の手が回る前から、黒服は口から煙を吐いたという描写があります。
仮に黒服=東京タワーだとすると、東京タワーが燃やされたから同時に黒服も燃えたという状況が分かりやすくなりますね。
また、黒服に出会う前の私は②東京タワーを日課のように眺め、③東京タワーのオフィシャルサイトへ東京タワー宛にラブレターを送ったことも。
話していないはずの私の東京タワーへの想いや行動を、黒服は把握していたことになります。
しかし、では黒服は実在しない私の幻想だったのか?というと、そういうわけでもありません。
「お前は何なんだ」という私の問いへの、黒服の答えがこちら。
「俺はおまえの幻想ではない。俺は、俺。おまえは、おまえだ」
「おまえが大好きで大嫌いな、東京だよ」
「残念ながら、廃墟も常連も、猫もあの女も、佐藤って馬鹿も、この俺も、全員実在する」
引用:『真夜中乙女戦争』p273,274
これらの発言から考えれば、黒服は決して私の幻想や妄想上の人物だったわけではなさそうですよね。
つまり、黒服の正体は東京タワーの化身のような存在であり、ラストシーンでは東京タワーと共に燃やされた……。
このように読み解くと、『真夜中乙女戦争』の結末を理解しやすくなるかもしれません。
映画『真夜中乙女戦争』出演者からのコメントを紹介!
映画『真夜中乙女戦争』に出演された永瀬廉さん、柄本佑さん、池田エライザさん、そして監督であり、脚本家である二宮健監督からのコメントをご紹介します。
▼永瀬廉さんからのコメント
クランクイン前はとても撮影を楽しみにしていましたし、実際入ってみるとあっという間でした。刺激的な毎日で、皆様のおかげで充実した撮影期間だったと思います。佑さん、エライザさんと共演させて頂いたことでとても刺激を受けましたし、二宮監督が丁寧に色んなことを教えてくださったので、改めてこの1ヶ月間たくさんの方々に支えていただいたことを実感しました。キラキラ、キュンキュンでもないダークな世界観で、撮影方法や美術も見たことない作品に仕上がると思うので楽しみです。
引用元:SPICE
▼柄本佑さんからのコメント
昨年、コロナ禍で撮影が延期になったり、打ち上げのような区切りもないので終わったのか終わってないのか、なかなか実感が沸きづらい昨今ですが、そんな状況下でも撮り切れて感慨深い思いです。どんな映像になっているのか、またどんな永瀬さんを見られるのか、どんなエライザさんが見られるのか、誰もが共感できる要素のある青春映画だと思うので出来上がりが楽しみです。
引用元:SPICE
▼池田エライザさんからのコメント
連日天候も朝から夜から気温が全然違う中、体力もかなり奪われて、本当に大変な日々だったと思います。私(演:永瀬廉)自身、そんな中で楽しく明るく現場を運んでいく皆様を見て、すごく勇気をもらいましたし、映画って楽しいなって毎日感じてきました。毎日この現場を楽しみに生きていました。本当にありがとうございました。完成を楽しみにしています。
引用元:SPICE
▼二宮健監督からのコメント
この作品の準備をしているときに、新しい力だったり色んな人に集まっていただいて今までにない映画作りをしようという気持ちをプロデューサーと語り合って進めたことがあって。色んな形で今日までたどり着きましたが、いま僕は撮影現場を見ていて本当にそういう映画ができるなと確信しております。
引用元:SPICE
まとめ
実写映画化される『真夜中乙女戦争』の原作小説のあらすじを、結末までのネタバレと共に解説しました。
ラストシーンや黒服の解釈も多岐に渡る『真夜中乙女戦争』は、2022年1月21日(金)劇場公開!
永瀬廉さんらのキャスト陣が、どのように人気小説の実写化を演じられるのか楽しみですよね。
ぜひ映画館で考察の答え合わせをしてみてください。